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古代ローマについて
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テストゥド(亀甲隊列)

TESTVDO

テストゥド隊列を組むローマ兵の模型
(ローマ文明博物館)

映画などでもおなじみのローマ軍特有の戦術のひとつ。隊列を組んだ軍団兵たちがスクトゥム(長方形の大盾)を組み合わせ、前面だけでなく頭上にも盾の屋根を作り、会戦開始時の飛矢の一斉射撃を防いだり、攻城戦では敵からの投石を防ぎながら城壁の破壊工作やアッゲル(接城土手)の構築作業をしたりする。その姿がまるで亀の甲羅に似ていることから、ラテン語で亀を意味するテストゥド(現在も学術用語としてカメ類を指す言葉としても使われる)と呼ばれた。のちに皇帝となるウェスパシアヌスも、司令官としてユダヤ戦役を遂行中、少数の兵のみ従えていたところを伏兵に急襲され、とっさに兵士たちとともにテストゥド隊列を組んで危機を脱したことがあった。
欠点は、機動力に欠けることと、液体は防げないこと。第一次三頭政治の一人クラッススのパルティア侵攻のときは、敵の飛矢が尽きたら散開して攻撃に転じるつもりが、有能な敵将スレナスが駱駝を使役して矢を無尽蔵に用意、一撃離脱のパルティアン・ショットを繰り返したため、ローマ軍はテストゥド隊列のまま殲滅されてしまった(ただし第二次三頭政治のアントニウスがパルティアを侵攻したときには、敵に学習能力がなかったためか、「劇場の観客席のように」組まれた盾の壁が見事に奏功している)。またユダヤ戦役のヨタパタ攻囲戦では、テストゥド隊列を組んで接近してくるローマ兵に、防衛側の司令官ヨセフスは城壁上から煮えたぎるオリーヴオイルを浴びせて撃退している。


トラヤヌスの記念柱に描かれたテストゥド隊列
(ローマ文明博物館)


マルクス・アウレリウスの記念柱に描かれたテストゥド隊列
かなり上のほうにあって肉眼では見づらい

ローマ軍のスクトゥムには他にも用途があった。街道のない土地を行軍していて小さな峡谷に差し掛かったときには、兵士たちが下に降りて頭上に盾を並べ、人力で支える橋を作るのだ。それは上を馬や荷車が渡れるほど頑丈だったという。

| MVSEION(博物館) | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
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